![]() 平成11年5月7日 第90号 ガンマナイフによる治療に1年間携わって | ||
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ガンマナイフセンター 脳神経外科 蓮井 光一 |
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中四国地方の第一号機として当院にガンマナイフが導入され、昨年3月24日に治療をスタートして1年が過ぎました。本年3月末までに治療させていただいた症例総数はのべ196例であり、その疾患は脳外科疾患はもとより耳鼻科領域の疾患にまで及んでいます(表1)。また将来的には三叉神経痛やパーキンソン病などに対しても治療を行っていく予定です。 この1年間さまざまな出会いがありました。 高校生の子供さんA君を悪性の脳幹腫瘍に侵され治療に訪れたお父さんがいらっしゃいました。奥様を亡くされ男手ひとつで子供さん達を育てられている方でした。脳幹の腫瘍、それは脳外科の領域では最も陰惨なものの一つです。したがって疾患の予後に関しては、どうしても悲観的なものとなってしまいます。そんな説明を聞かれた後、子供さんが待っている病室にもどられる途中で大きなため息とともに肩を落として歩いておられるお父さんの姿は痛々しく今でも思い出されます。ニキビの中に顔がある様な患者さんに「すぐに治って、また元気になって学校へ戻れるよね。」と尋ねられた時、「もちろん元気になれるよ。ただ少しだけ時間がかかるかもしれないけどね。」そう答えるのがやっとでした。ガンマナイフ治療がA君の病気の進行を食い止める事を祈っています。 65才になられるBさんは、脳に20個以上の転移性病巣をもち御自分の今の状況も全て御存知で人生の夕暮れが近づいてきていることを感じながらも心静かに日々を過ごされているそんな方でした。けれども昨年9月のガンマナイフによる治療後、新しい病巣の出現もなく元気に過ごしておられる御様子。昨年暮れには経過観察をお願いしている先生よりBさんが「元気に新しい年を迎えることができるなんて思ってもみませんでした。」と話され喜んでおられたと聞き大変うれしく思いました。 また、私自身も治療後の方を外来にて経過観察しておりますと短期間で劇的に病巣が小さくなっていることに驚かされる事があります。 私はよく御家族の方への説明の時に「ガンマナイフは決して魔法の治療器ではありません。」という話をしてきました。それは病巣の大きさや種類、進展具合などから、その全てを瞬時に完全に治癒させるものではないという意味です。 しかしながら、劇的に効果のあった症例を目の当たりにしたり、Bさんのような話を耳にしますと”本当は魔法の治療器なのかもしれない”とつい考えてしまうことがあります。
患者さんは、中国四国地方のあらゆるところより来院されます。そのため色々なお国言葉を耳にしてきました。私の故 郷(私の出身は香川県高松です)の方言を使う方に出会えば 懐かしく思われ、耳慣れない言葉を耳にするとどんな土地な のか興味が湧き機会があれば訪ねてみたいと思うこともしば しばでした。遣う言葉は違っていても、共通していたものは 病気と必死で闘う患者さんの姿であり、それを愛情で支えて いる御家族の方達の姿でした。私はそういう方達を応援する 応援団員の一人であり続けたいと思っています。 ガンマナイフ治療の看護にあたって | ||
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5階病棟婦長 岡崎 泉 |
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ガンマナイフ治療にいらっしゃる方と家族の方々は大きな不安を抱いておられると思っています。また遠方からの
方も多く、岡山弁にびっくりされている事もあります。私達は患者さんと家族の方々の心をおもいやる看護を心掛け、
不安を和らげるよう努めています。ガンマナイフは検査、治療とも患者さんへの負担はあまりなく、皆さんが喜んで
退院されますので、私達もうれしく看護させて頂いています。 |
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表1 治療症例数 98.3.24 〜 99.3.31 |
| 脳血管障害 | ||
| 脳動静脈奇形 | 11 | |
| 脳血管障害総計 | 11 | |
| 腫瘍 | ||
| 良性 | 聴神経腫瘍 | 14 |
| 髄膜腫 | 22 | |
| 下垂体腺腫 | 8 | |
| 頭蓋咽頭腫 | 2 | |
| 血管芽腫 | 1 | |
| 神経鞘腫 | 1 | |
| 過誤腫 | 1 | |
| 計 | 49 | |
| 悪性 | 転移性脳腫瘍 | 104 |
| 毛様性星状細胞腫 | 2 | |
| 星状細胞腫 | 3 | |
| 退形成星状細胞腫 | 5 | |
| 多形膠芽腫 | 9 | |
| 上衣腫 | 1 | |
| 稀突起神経膠腫 | 1 | |
| 鼻咽頭部腫瘍 | 6 | |
| 悪性リンパ腫 | 5 | |
| 計 | 136 | |
| 腫瘍総計 | 185 | |
| 治療症例総数 196 | ||