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理学療法士 太田貴博 糖尿病の運動療法の主体となる全身運動は、内分泌・代謝系、呼吸・循環器系、運動器系に大きな変化を与えて、有酸素運動能力、末梢組織のインスリン感受性を改善します。その結果、糖・脂質・蛋白代謝の乱れを是正するほか、表1のような効果が期待できます。しかし、個人個人の病態や治療内容に即した運動を行わなければ、低血糖を招いたり、合併症を誘発・増悪させる危険があります。 表1 運動がもたらす8つの利益
1)運動の種類(以下の項目に注意します) 全身の筋肉を使用します 筋肉にリズミカルな刺激を与えます いつでも、どこでも、誰にでも出来る 運動の強さを決めやすい 楽しく、長く続けられる 2)運動量と強さ (1)運動の強さを知る目安として、心拍数を基準として、表2の「体力年代別の 各種運動強度に対する脈拍数」を用います。糖尿病に対して効果的な運動強度 は40〜60%の中等度レベルです。 表2 体力年代別の各種運動強度に対する脈拍数(毎分)
(2)エネルギー消費については、1単位を80kcalとして、運動により160kcal (2単位)、準備・整理体操で80kcal(1単位)で1日合計240kcalに達す る運動量を当初の目標とします。具体的な運動は表3に示します。 表3
3)運動継続時間・実施時間 代謝の改善を目的とする場合、少なくとも10分以上の一定強度の運動負荷が 必要となります。運動は時間が長ければ長いほど効果があるとされていますが、 疲労・低血糖に注意して行わなければなりません。また、準備体操と整理体操 を含めると、主となる有酸素運動は20分が適当であると考えられます。また、 実施時間については、血糖値やインスリン値がピークになる、食後30分〜1 時間経過後が勧められます。 4)運動頻度 急性代謝効果は数時間〜1日持続し、トレーニング効果は3〜4日しか持続しま せん。したがってできるならば1日に2回、そして週3回以上実施すべきです。 5)実施上の注意 低血糖予防のため、食後30〜40分して行う。 中等度の運動を時間をかけて行う。 準備体操・整理体操を十分行う。 |
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