ECMO-エクモ-導入

はじめに

一心だより379号の発行です。今回のテーマはECMO-エクモ-です。

2020年10月7日(水)岡村一心堂病院にECMOエクモ導入しました。正確に言うと、機器の更新だったのでリニューアルと言った方が正しいです。

一心だよりではコロナが流行しはじめた年初によく耳にした、酸素吸入、人工呼吸器、そしてECMO(エクモ)について分かりやすく簡単解説しています。

 

一心だよりは画像をタッチしてください。

(PDF:274KB)

 

● WEB版 ●

ここからは、WEB版です。ちょっとコアになります。記事にはスペースの都合で掲載してありませんが、導入した機器の写真です。

実際に見るとコンパクトです。

 

『エクモの役割』

エクモの役割については、一心だよりの中でもご紹介していますが、患者さんの血管より直接血液を抜いて(脱血と言います。)、人工肺によって、血液から二酸化炭素を取り出し、酸素を送り込み、ポンプ機能で血管に血液を戻します。エクモは患者さんの体外で「肺の機能」「心臓の機能」、つまり「心肺機能」を補うことができます。

 

 

エクモは、世の中的には、新型コロナウィルスによる肺炎で注目されましたが、適応となる疾患は、

可逆性のある重症呼吸不全
心原性ショック
急性心筋梗塞
劇症型心筋炎
薬物中毒による心不全

など、通常治療では対応できない、呼吸や循環不全といった救急治療で使用される機器となります。“可逆性のある病態”と言い、医学的な判断により戻る可能性がある病気の状態でないと使用されません。コロナ肺炎の場合は、コロナ肺炎によって引き起こされた重症呼吸不全への対応となります。

 

『エクモの使い方』

エクモには次の2つの使い方があります。

01. VAエクモ
02. VVエクモ

V(Vein 静脈)、A(Artery 動脈)の略です。

 

01. V-Aエクモ
カテーテルで右内頚靜脈から血液を抜き(脱血)、エクモを使用し、大腿動脈に血液を戻します(送血)。心臓機能の補助ができます。

02. V-Vエクモ
カテーテルで右内頚靜脈から血液を抜き(脱血)、エクモを使用し、大腿静脈に血液を戻します(送血)。呼吸(肺機能)の補助ができます。

患者さんの状態によっては、V-Vから開始し、状態悪化によりV-Aに移行する場合もあります。

 

『エクモ・・・』

エクモは、適応する疾患治療の1つの選択肢です。侵襲性と言い、エクモを使用することでの身体へのダメージ、また合併症が起こる可能性もあります。導入中も慎重で適切な管理が必要な高度な医療となります。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。みなさんの興味や、知ってほしい情報など、できるだけ分かりやすく時には深掘りして発信しています。過去の一心だよりはこちら