癌の治療法には手術治療、抗癌剤を使う化学療法、放射線治療の三つがあります。いずれも患者さんにとっては身体的な負担の大きいものです。
第4の治療法として癌の局所を加熱してガン細胞をやっつけるハイパーサーミア(温熱治療)があります。第5の免疫療法とともに、最近注目されている体に負担の少ない治療法です。
当院では市販の人体用温熱装置では世界最強の1500ワットのサーモトロン-RF8を1999年6月に導入し、治療を開始しました。従来は放射線治療と併用の場合のみ健康保険が使えましたが、温熱治療単独でも効果が認められることから1996年より単独使用でも健康保険が使えることになりました。当院では、現在、少量の抗癌剤と併用しております。
深部の癌治療には1200ワット以上のパワーが必要とされています。
加温の原理
サーモトロン-RF8は下図で示すように両電極に通電されるRF波によって、組織の双極子およびイオンが1秒間に約800万回もの急速な回転、移動動作を起こし、摩擦熱を発生させる誘電加温方式を採用しています。
これは組織自体の自己発熱であり、身体の表面から深部までが一様に加温されます。
一般的な熱伝導による加温方法に比べ、昇温速度が速やかで、かつ温度制御が正確・容易で、また清潔な環境で使用することができます。